車のボディは、雨が降った時の雨水や洗車時の水道水など、必ず水に濡れてしまうものです。同じ水分ではありますが、飲料水として使える水道水の方が綺麗な水、そして、雨水は汚い水と考えてしまいます。
確かに、人が飲んだりする分には、水道水の方が清潔さという部分では雨水と比べて綺麗ですが、車のボディにとっては同じとは限りません。
どちらかというと、雨水の方が水道水と比べると車のボディーにとっては良いと言えます。
水道水と雨水に含まれる成分の違い
水道水には多くの成分が含まれている
水道水には、塩素(カルキ)が代表されるように多くの成分が含まれています。もちろん、一定の基準が設けてありその基準を超えなければ、人が飲料水として口にしても問題が無いように浄水されています。
ただ、水道水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどの成分は、時として色々な悪さをします。水道の蛇口周りが白くなったり、風呂場のガラスが白くなったり、水槽のガラスが白くなったりするのも水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が白くする原因です。
特に白い水の跡「イオンデポジット」は、黒や濃色のボディほどハッキリと現れてしまいますが、実際には目立たないだけですが淡色ボディにも残っています。
「イオンデポジット」が車のボディの塗装面に出来ると、塗装面に凸凹が出来てしまいます。凸凹が出来るという事は、その部分に水が溜まりやすくなり、さらに、「イオンデポジット」の層が厚くなっていったりします。
そうなってくると、部分的に水滴が溜まりやすくなり、「ウォータースポット」という塗装面を傷める現象を起こしてしまう原因になります。
水にどれ位の成分が含まれているのかを測るのに導電率(TDS)があります。水に何かしらの成分が含まれているとそれが電気抵抗となり、数値が上がります。精製水や純水の場合、導電率は0ppmを表します。
水道水の導電率を測ると58ppmでした。住んでいる地域や季節によって、この数値は変わってきますが、このように水道水には成分が含まれている事が分かります。
雨水にはほとんどミネラル分は含まれていない
雨が降っている時にバケツを用意して、導電率を測るため雨水を貯めてみました。この時は結構な大雨だったので、すぐにバケツの半分ほど貯まりました。
バケツに雨水が貯まったので、導電率を測ってみたら2ppmでした。ほぼ、精製水や純水に近い数値となっています。雨水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が、ほとんど含まれていない事が分かると思います。
ただし、降り始めの雨水には空気中のホコリや花粉、黄砂などの汚れが含まれていて、にわか雨のような雨の降り方で車のボディが濡れてしまうと、その汚れで車のボディを汚してしまう事はあります。
しばらく雨が降り続けると、空気中のホコリなどの汚れが雨と一緒に流れ、後に降ってくるのは実は精製水や純水に近い水そのものになっています。ミネラル分がほとんど含まれていない水なので、もしそのまま水滴が乾燥しても、車のボディに悪影響を与える「イオンデポジット」は出来ないです。
水道水の方が車のボディに悪影響を与える
水道水と雨水に含まれるミネラル分の違いによって、車のボディに与える影響が違ってきます。水道水を車に掛けると言えば、車が汚れたさいにする洗車があります。
汚れた車を綺麗にするために洗車をしますが、ボディに水道水が残ったまま乾燥させてしまうと「イオンデポジット」を発生させてしまいます。車を水道水で洗い流したら、水滴が乾燥する前に拭き取る必要が出てきます。
いかに洗車後の水滴を素早く拭き取れるかが、洗車のポイントとも言えます。
特に夏場などは、気温も高く車のボディ温度も高くなっているので、水滴を拭き上げる前に乾燥してしまう事も多くなります。夏場の洗車は、朝方や夕方がいいと言われているのは、これらの事が理由になっています。
雨水の方が車のボディに影響を与えないのなら、雨の中洗車をする人もいる位です。洗車後に水を拭き上げる作業が必要ないですからね。
井戸水はさらにミネラル分などが多い事も
井戸水や地下水を汲み上げて、散水や生活用水に利用されている方もいるかと思いますが、井戸水の方がさらにカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含んでいる事が多いです。この事から出来れば、井戸水で洗車をしたら十分に水滴を拭き上げる必要があります。
まとめ
水道水と雨水では、車のボディに対してを考えると雨水の方が影響が少ないと言えます。
逆に、水道水が付着したまま乾燥してしまうと、「イオンデポジット」が出来てしまい、それがさらに酷くなると「ウォータースポット」が出来て塗装面深くまで浸食してしまいます。
水道水による洗車を行った後は、素早く水道水が乾燥する前に拭き上げる必要があります。
最終更新日:2023/03/16
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