車のスペック欄等で変速機(トランスミッション)の部分を見ていると、○速MTや○速AT、CVTなど見かける事がありますが、CVTって一体どういう変速機(トランスミッション)なのか分かりますか?
シフトレバーの部分を見ると、AT(オートマチックトランスミッション)に見えますが、違いは分かりますか?CVTは、実際には無段変速機という事で、変速するためのギアが無いと言う意味になるのですが、その仕組み上のメリット・デメリットが存在します。
そこで、車の変速機の一種であるCVTの仕組みや、そのメリット・デメリットを解説します。
車の変速機、CVTって何?
まずそもそも、車の変速機(トランスミッション)としてMT(マニュアルトランスミッション)と、AT(オートマチックトランスミッション)があります。普段、車を運転しているならどちらかの変速機を使用しているでしょう(昨今では、圧倒的にATだと思いますが)。
その中で、広義でATに分類されるのがCVT(無段変速機)になります。ATの場合は、6段変速や7段変速など最適なギヤを自動で選択し、エンジンの力を効率よく車の速度に変えていくのに対して、CVTの場合は、ギヤその物が無ありません。
言葉だけでは、理解し辛いと思うので動画があったので、見て頂くと分かりやすいと思います。
パッと見ると、自転車の変速機が近い仕組みに見えます。ただし、自転車の変速機も前後にギヤがあるのに対して、CVTにはギヤの部分が滑車のようになっており、この滑車と滑車の間をチェーンやベルトなどで繋いでいます。
この繋ぐ方式の違いから、CVTの中でもベルト式やチェーン式、トロイダルに三つに分かれます。
CVTのメリット・デメリット
メリット
CVTの一番のメリットは、燃費性能の良さが挙げられます。CVTは常に最適なギア比が選ばれるため、エンジンの回転数を低く抑えることができます。
また、CVTはギア自体がないため、ギアが切り替わる時の変速ショックがないので、街乗り時など快適な車の走行につながります。この変速ショックが無いという事で、街中などでストップしたり走ったりする事が多い渋滞時などはCVTの方が運転しやすいと言えます。
CVTは小型・軽量でコストもATに比べて安くなるため、コンパクトカーが好まれている現状の日本だと、そのような状況に非常にマッチしたトランスミッションです。
デメリット
もちろん、CVTにはデメリットがあります。エンジンで生み出されたパワーの伝達効率が、他の変速機に比べて悪いところです。MTの場合は伝達効率が約98%と高く、ATの場合で約95%程度、そして、CVTの場合は約90%程度という具合です。
CVTは、無段変速と言う事でアクセルワークによって、常にギア比が変わっていく事になります。
理由としては、エンジンが高回転域になると、CVTのベルトがスリップを起こしてしまうので、この部分でエネルギーロスが発生して、100Km/hなどの高速走行が多い場合には、逆に思った以上に燃費が悪くなってしまう事もあります。
高速走行が多い場合には、逆にCVTは燃費の面でATと比べてデメリットになってしまう事もあります。
ATとCVTとどちらが向いているのか
ATとCVTには、お互いにメリット・デメリットがあり、車を運転する環境によって向き不向きが出てきます。どのようなシュチエーションが多いかで、判断するといいでしょう。
CVTが向く運転シュチエーション
- ストップゴーの多い街中での運転が多い。
- あまり高速道路など、エンジンを高回転にするような事が少ない。
ATが向く運転シュチエーション
- 高速道路などを利用する頻度が高い。
まとめ
車の変速機(トランスミッション)には、MTやAT、そして、CVTがありますが、変速ショックが無く燃費が良い変速機がCVTです。ただ、車を運転するシュチエーションによっては、ATの方が燃費性能が良くなる場面もあります。
高速道路などを走行する機会が少ない場合には、車の燃費性能に一役買ってくれる最適なトランスミッションだと言えます。
最終更新日:2023/01/06
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